「最近、英語がわからなくなってきたみたいです」
中学生の保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
定期テストの点数が下がったり、学校のワークが進まなくなったりすると、今習っている単元が難しいのかな、と思いますよね。
もちろん、その単元自体が難しいこともあります。
ただ、実際に一緒に問題を解いてみると、つまずいているのは今の単元ではなく、もっと前に習った内容だった、ということがよくあります。
つまずきの多くは、中学1年生の初期にあります
中学2年生、3年生の問題が解けない場合でも、確認してみると、中学1年生で習った次のような内容が曖昧になっていることがあります。
- なぜ、この文ではbe動詞を使うのか
- なぜ、こちらの文では一般動詞を使うのか
- 単数と複数をどう見分けるのか
- なぜ名詞にaをつけるのか
- 数えられる名詞と数えられない名詞は何が違うのか
- 主語が変わると、なぜ動詞やbe動詞の形も変わるのか
- 英文の中で、主語や動詞はどこにあるのか
- 英語の文型は、どのようにできているのか
一つひとつは、中学1年生の初めに習う内容です。
そのため、「もう習ったから大丈夫」と思われやすいのですが、ここが曖昧なままだと、その後に習う過去形や現在進行形、助動詞、不定詞なども理解しにくくなっていきます。
英語は「数」にとてもこだわる言語です
特に日本語と英語で大きく違うのが、単数と複数の扱いです。
英語では、「一つなのか、二つ以上なのか」によって、文のいろいろな部分が変わります。
例えば、
- 名詞にaをつける
- 複数形のsをつける
- isとareを使い分ける
- 一般動詞の形を変える
- thisとthese、thatとthoseを使い分ける
など、一つの文の中でも「数」が何度も関係してきます。
日本語では、
「私はりんごが好きです」
と言うとき、それがりんご一個のことなのか、りんご全般のことなのかを、毎回必ず形に表すわけではありません。
しかし英語では、
“I like an apple.”
なのか、
“I like apples.”
なのかによって、伝わる意味が変わります。
英語は、日本語よりも「一つなのか、複数なのか」をはっきり示すことに、とてもこだわりの強い言語なのです。
この感覚がわからないまま、「ここにはsをつける」「ここではareを使う」と答えだけを覚えても、少し違う問題になると迷ってしまいます。
be動詞と一般動詞も、暗記だけでは整理しにくい
be動詞と一般動詞の使い分けも、中学生がつまずきやすいところです。
例えば、
“I am busy.”
“I play tennis.”
という二つの文を見れば、どちらも簡単に感じるかもしれません。
ところが、疑問文や否定文になると、
“Are you busy?”
“Do you play tennis?”
のように、文の作り方が変わります。
ここを「この場合はAreで、この場合はDo」と別々に暗記していると、文が少し複雑になったときに混乱します。
大切なのは、
「この文の動詞はどれなのか」
「この文では、なぜbe動詞が必要なのか」
「一般動詞を使う文は、どのように疑問文を作るのか」
と、英文の仕組みから整理することです。
単に正しい答えを教えるのではなく、「なぜそうなるのか」を一度ロジックで理解すると、別の英文にも応用できるようになります。
今の単元を繰り返すだけでは、解決しないこともあります
例えば、現在進行形がわからない子に、現在進行形の問題を何度も解かせても、なかなか定着しないことがあります。
その子が本当につまずいているのは、現在進行形の作り方ではなく、
- 主語に合わせてam、is、areを選べない
- be動詞と一般動詞の違いがわからない
- 文の中から動詞を見つけられない
- 単数と複数を意識できていない
といった、もう少し前の部分かもしれません。
土台が曖昧なまま、今の単元だけを繰り返しても、「この問題はこう解く」と覚えるだけになってしまいます。
すると、同じ内容でも少し聞かれ方が変わっただけで、また解けなくなります。
前に戻ることは、遅れることではありません
中学2年生や3年生になると、1年生の内容に戻ることを嫌がる子もいます。
「もう習ったから大丈夫」
「今さら、こんな簡単なところをやるの?」
と言うこともあります。
でも、「一度習ったこと」と「仕組みを理解して、自分で使えること」は同じではありません。
すべてを最初からやり直す必要はありません。
どこまではわかっていて、どの部分から曖昧になっているのかを見つけ、必要なところだけ戻ればいいのです。
つまずいたときに一度立ち止まり、英語の仕組みをロジックで整理する。
この作業を入れてあげると、その後の英語学習がとても楽になることがあります。
「何年生の内容か」より、今どこで止まっているか
英語は、前に習ったことの上に、新しい内容が少しずつ積み重なっていく教科です。
だからこそ、今習っている内容だけを見るのではなく、
「この子は、なぜここで迷っているのだろう」
「その前に、理解できていない仕組みはないだろうか」
と考える必要があります。
札幌市厚別区にあるブラックフラミンゴ英語教室では、学校の学年や進度だけで判断せず、実際に問題を解いたり、英文を読んだりしながら、一人ひとりがどこでつまずいているのかを確認しています。
英語が苦手になったように見えても、「英語ができない子」になったわけではありません。
中学1年生の初めに学んだ英語のルールが、まだ頭の中でうまく整理されていないだけかもしれません。
わからなくなったときに、前へ進むことだけを急がず、一度戻って「なぜそうなるのか」を考えてみる。
その方が、結果的に早く、そして自分の力で英語を理解できるようになることも多いのです。
