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英語活動をたくさん知っているのに、授業がうまくいかないのはなぜ?

英語の先生向け

2026.08.24

「授業で使える英語活動を知りたい」

英語を教えている先生なら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。

SNSやインターネットで検索すると、ゲームやペアワークなど、楽しそうな活動がたくさん見つかります。

実際に授業へ取り入れてみると、子どもたちは楽しそうに参加してくれる。

それなのに、

「思ったほど英語を使っていない」

「活動は盛り上がったけれど、何が身についたのかわからない」

「次の授業では、また別の活動を探さなければならない」

そんなことはありませんか?

もしかすると、それは活動の数が足りないからではありません。

「活動をすること」自体が、授業の目的になってしまっているからかもしれません。

 

ペア活動にすれば、コミュニケーションになる?

たとえば、Do you like ~? を学習したあとに、こんなペア活動を行ったとします。

Do you like soccer?
Yes, I do.

Do you like sushi?
No, I don’t.

Do you like cats?
Yes, I do.

子どもたちはペアになり、ワークシートに書かれた質問を読みながら、相手の答えを記入します。

先生が一方的に説明する授業とは違い、子ども同士で英語を話しています。

一見すると、コミュニカティブな活動に見えます。

けれども、少し立ち止まって考えてみましょう。

 

子どもたちは、本当に相手の答えを聞く必要があるでしょうか?

 

相手が Yes, I do. と答えても、No, I don’t. と答えても、決められた欄に丸や印をつけるだけ。

質問をすべて終え、ワークシートが埋まったら活動は終了です。

英語を声に出してはいます。

しかし、相手の答えをもとに何かを考えたり、自分の言葉で反応したりする必要はありません。

ペア活動にしただけで、必ずしもコミュニケーションが生まれるわけではないのです。

 

英語を使った「あと」に何が起こるか

では、同じ Do you like ~? を使って、活動のゴールを少し変えてみます。

今回のゴールは、

「相手に合った週末プランを考え、提案すること」

です。

まず、相手の好みやできることについて質問します。

Do you like sports?
Do you like animals?
Do you like cooking?
Can you swim?

相手の答えを聞いたら、その情報をもとに、おすすめの週末プランを考えます。

たとえば、相手がスポーツは好きではないけれど、動物が好きだとわかったら、

I recommend the zoo.

料理が好きだとわかったら、

I recommend a cooking class.

スポーツが好きで泳ぐこともできるなら、

I recommend the swimming pool.

と提案できます。

レベルに応じて、

You like animals, so I recommend the zoo.
I think you should go to the zoo.

のように、理由を加えてもよいでしょう。

この活動でも、使っている中心表現は Do you like ~? です。

しかし、子どもたちは質問を終わらせるためではなく、相手に合ったプランを考えるために質問します。

相手の答えによって、その後の自分の判断が変わるため、答えをきちんと聞く必要も生まれます。

英語を使うことが、活動のゴールではありません。

英語を使って情報を集め、考え、選び、相手に伝えるところまでが活動になります。

 

「英語を言わせる活動」で終わらせない

授業を考えるとき、

「Do you like ~? をたくさん言わせるには、どんな活動がいいだろう」

と考えることがあります。

もちろん、新しい表現を繰り返し使うことは必要です。

けれども、「何回言ったか」だけを活動のゴールにすると、子どもにとっては、決められた英文を読み上げる作業になりやすくなります。

大切なのは、英語を言わせることだけではありません。

その英語を使って、

  • 何を知るのか
  • 何を考えるのか
  • 何を選ぶのか
  • 誰に何を伝えるのか

というところまで設計することです。

今回の週末プランの活動では、

  1. 相手に質問する
  2. 相手の答えを聞く
  3. 得た情報を整理する
  4. 相手に合ったプランを選ぶ
  5. 自分の考えを伝える

という流れが生まれます。

これなら、文型練習とコミュニケーションを切り離さずに行うことができます。

 

活動を選ぶときに考えたい3つのこと

新しい活動を授業に取り入れる前に、次の3つを確認してみてください。

1.生徒は何のために英語を使うのか

「先生に言われたから」「ワークシートを埋めるため」ではなく、英語を使う目的があるでしょうか。

情報を知りたい、相手に合ったものを選びたい、違いを見つけたい。

そのような目的があると、英語を使う必然性が生まれます。

2.答えを聞いたあとに、何かが起こるか

質問して答えて終わるのではなく、その答えを使って考えたり、選んだり、次の質問を変えたりできるでしょうか。

相手の答えが、その後の行動に影響する活動になっているかを考えます。

3.授業の最後に、生徒は何ができるようになるか

「ゲームが盛り上がった」「全員が参加した」だけでは、学習の成果は判断できません。

授業の最後に、

「相手の好みを質問できる」

「聞いた情報から、相手に合うものを提案できる」

など、生徒の姿を具体的に考えておくことが大切です。

 

必要なのは、活動の数ではなく、授業を組み立てる視点

授業で使える活動を知ることは、もちろん大切です。

けれども、どれほど多くの活動を知っていても、

「なぜ、この活動を行うのか」

「この活動を通して、何ができるようになるのか」

が曖昧なままでは、活動を次々と探し続けることになります。

一方で、授業のゴールと、英語を使う目的が明確になれば、特別なゲームを用意しなくても、普段行っているペアワークを大きく変えることができます。

活動を知っていることと、授業を設計できることは同じではありません。

英語を使わせることをゴールにせず、

英語を使って、何を考え、何を決め、何を伝えるのか。

そこまで考えることが、子どもたちの「英語を使う力」につながっていきます。

英語の先生トレーニングコースでは、活動のアイデアを増やすだけではなく、目標や生徒の段階に合わせて活動を選び、授業として組み立てるための考え方を、実践とともに学んでいきます。