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【英語小中連携指導方法】小学校英語を中学校の理解につなぐには?——授業の中でできる「橋渡し」

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2026.09.14

前回の記事では、中学生7名に小学校英語について聞いたときの話を書きました。

全員が、

「中学校で“小学校でやったよね?”と言われるけれど、やっていない」
「習った前提で進められるのが困る」

と話していました。

小学校で英語に触れていないわけではない。

でも、小学校では場面と音声に支えられて使っていた英語を、中学校では急に、自分で読んで、書いて、使うことを求められます。

では、この間をどうやってつないだらいいのでしょうか。

私は、小学校と中学校がまったく同じ教え方をする必要はないと思っています。

小学校には小学校だからできることがあり、中学校には中学校で担うことがあります。

ただ、それぞれが別々に授業をするのではなく、小学校での経験を、中学校が受け取るという視点が必要なのだと思います。

小学校では、使った英語に少しだけ「気づく」

小学校で、文法用語を使って詳しく説明する必要はありません。

でも、活動の中で使った英語について、少し立ち止まることはできます。

たとえば、これまで、

“What sport do you like?”

と聞いていた子どもたちが、誕生日について尋ねる活動で、

“When is your birthday?”

を使ったとします。

そこで先生が、

「前は “what” で聞いたけれど、今日は “when” になったね。どうしてだと思う?」

と聞いてみる。

子どもたちから「いつ、だから」「時間を聞きたいから」という気づきが出てくるかもしれません。

また、

“Do you play soccer?”

を使っていた子どもたちが、週末の出来事を聞くために、

“Did you play soccer?”

を使ったとき、

「前は “do” だったけれど、昨日のことを聞くときは “did” になったね」

と声をかけることもできます。

この段階で、過去形の疑問文を詳しく説明する必要はありません。

「過去のことを話すと、英語の形が変わるんだ」

と気づくだけでもいい。

そして、

「この仕組みは、中学校に行ったらもっと詳しく勉強するよ」

と伝えておく。

小学校での経験に小さな気づきが加わると、中学校で学んだときに、「初めて見る文法」ではなく、「あのとき使った英語の仕組み」として受け取りやすくなります。

中学校では、「覚えている?」より「どう使っていた?」から始める

中学校では、「小学校で習ったよね」と確認するのではなく、

「この英語、どんなときに使ったことがある?」

と聞いてみます。

“Do you like ~?” なら、好きなものを友達に聞く活動で使ったかもしれません。

“Can you ~?” なら、できることを伝え合う活動で使ったかもしれません。

まずは、そのときの場面や経験を思い出してもらいます。

そのあとで、文の仕組みを見ていきます。

たとえば、

“Do you like soccer?”
“Are you a soccer fan?”

を並べます。

どちらも相手に質問している文ですが、片方は “do”、もう片方は “are” です。

「どちらも“あなたは?”と聞いているけれど、何が違うと思う?」

と、生徒と一緒に文を見ていきます。

ここで初めて、

“like” は動きを表す一般動詞であること。
“are” は主語とそのあとの言葉をつなぐ働きをすること。
一般動詞を使って質問するときには “do” が必要になること。

などを整理します。

小学校で使った表現を、いきなり「これは一般動詞の疑問文です」と説明するのではなく、まず経験を思い出し、比べて、違いに気づいてから文法として整理する。

この順番が大事なのではないかと思います。

理解したら、もう一度使ってみる

文法を理解したところで終わってしまうと、小学校での活動と中学校での文法が、また別々のものになってしまいます。

違いを整理したあとは、もう一度使います。

たとえば、

“Do you like baseball?”
“Are you a baseball fan?”

を使って友達に質問する。

答えを聞いたら、

“Ken likes baseball.”
“He is a baseball fan.”

と書いてみる。

自分で話して、相手の答えを聞いて、最後は文字にする。

そうすると、

「楽しく話す活動」と「文法を理解する学習」が一つにつながります。

小学校で経験した英語を、中学校で文法として理解し、理解したものをもう一度使う。

この流れがあることで、文法はテストのためだけの知識ではなく、自分が伝えたいことを表すためのものになります。

単語も、同じようにつなぎ直す

単語についても、「小学校で習った単語だから知っているはず」とは限りません。

絵を見れば言える。
先生が言えば意味が分かる。

でも、文字だけで出てくると読めない。
聞いたことはあるけれど、つづりは分からない。

ということはよくあります。

その場合は、最初から知らない単語として覚え直させるのではなく、

「この言葉、聞いたことはある?」
「この絵だったら分かる?」
「音と文字のどこがつながりそう?」

と確認します。

小学校で覚えた音と、中学校で出会った文字をつなぐ。

それだけでも、生徒にとっては大きな助けになります。

小学校は橋の入り口を作り、中学校はその続きを受け取る

小学校では、英語を聞いたり、実際に使ったりする中で、言葉の違いに少しずつ気づく。

中学校では、その気づきを文法や文字の理解につなげる。

そして、理解した英語を、もう一度話したり書いたりして使う。

私は、この流れを、

小学校では、経験から気づきへ。

中学校では、気づきから理解へ。そして、理解からもう一度使用へ。

と考えています。

小学校が中学校の内容を先取りすることが、小中接続ではありません。

中学校が「小学校で習ったよね」と先へ進むことでもありません。

小学校は、橋の入り口を作る。

中学校は、子どもたちがそこまで歩いてきたことを確認し、その続きを受け取る。

お互いが少しだけ次の学びを見ながら授業を作ることで、子どもたちにとって英語は、急に別の教科へ変わるものではなくなるのではないかと思います。

 

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