先日、こんな質問がありました。
「英語のインタビュー活動で、答えるのに時間がかかる子とペアになったら、その相手は一人にしか聞けなくて、かわいそうじゃない?」
確かに、と思いました。
小学校英語では、習った表現を使って、教室内の友達にインタビューする活動がよくあります。
例えば、
What’s your favorite color?
I like blue.
というやり取りです。
「5人に聞いて、ワークシートに答えを書きましょう」と伝えると、すぐに5人分聞ける子もいれば、一人とのやり取りに時間がかかる子もいます。
また、答えるのに時間がかかる子とペアになったことで、相手の子も一人にしかインタビューできないことがあります。
話す速さや、答えるまでに必要な時間は一人ひとり違います。
それなのに、「何人に聞けたか」がそのまま活動の結果になってしまうと、話す速さによって「できた・できなかった」の差が生まれてしまいます。
インタビューを個人で終わらせない
そこで、インタビューで集めた情報を、個人のワークシートの中で終わらせないようにします。
全体で好きな色を聞いたあと、子どもたちは自分のグループに戻ります。
そして、それぞれが集めた色をグループ内で発表し、全員の結果を一つにまとめます。
例えば、
- Blue:4人
- Pink:3人
- Green:2人
- Red:1人
というように、グループ全員が集めた情報を合わせます。
その結果を使って、人気だった色を取り入れた「グループフラッグ」を作ります。
最後は、完成したフラッグをクラスに紹介します。
Blue is the most popular.
This is our group flag.
こうすると、インタビュー活動が、
質問する → 聞く → 持ち寄る → 数える → 選ぶ → 作る → 伝える
という一連の活動になります。
「何人に聞けたか」を個人の結果にしない
この活動では、一人ひとりがインタビューできた人数を、そのまま個人の成果にはしません。
一人にしか聞けなかったとしても、その一人分の答えは、グループの集計に必要な情報です。
ほかのメンバーが集めた情報と合わせることで、グループフラッグを作るための結果になります。
もちろん、この方法だけで、一人ひとりの発話回数が完全に同じになるわけではありません。
ただ、
「5人に聞けたから成功」
「一人にしか聞けなかったから失敗」
という活動にはなりません。
大切なのは、何人に聞けたかではなく、聞いた情報をそのあとどう使うかです。
インタビュー活動の終わりを個人で終わらせず、集めた情報をグループで使うところまでつなげます。
グループに戻った途端、全部日本語になっていませんか?
ここでもう一つ、考えたいことがあります。
せっかく英語でインタビューしたのに、グループに戻った途端、
「青が3人だった」
「じゃあ、青を使おう」
「ピンクも入れない?」
「その色鉛筆取って」
と、全部日本語になってしまう。
これでは、せっかくのグループ活動がもったいないですよね。
しかし、子どもたちに、
「グループでも英語を使ってね」
“English only!”
と伝えるだけでは、なかなか英語は出てきません。
子どもたちは英語を使いたくないのではなく、グループ活動を進めるために、どんな英語を使えばよいのか分からないことが多いからです。
グループ活動で必要になる英語を準備する
グループ活動に入る前に、子どもたちがどのようなやり取りをするのかを考えてみます。
例えば、今回のフラッグ作りでは、
- 集めた結果を伝える
- 使いたい色を提案する
- 友達の意見に賛成する
- 色や道具を確認する
- 必要なものをお願いする
といったやり取りが必要になります。
色を提案するときなら、
Let’s use blue.
How about pink?
という英語が使えます。
このような表現を活動前に確認し、黒板に残したり、各グループにカードとして置いたりします。
「グループでも英語を使って」と言うだけではなく、そこで必要になる英語を、子どもたちが使える形で用意しておきます。
型通りの会話に戻さないために
ここで用意するのは、全員が同じ順番で繰り返す、完成した会話ではありません。
「Aさんはこのセリフ、Bさんはこのセリフ」と決めてしまうと、グループ活動でも、決められた英語を言うこと自体が目的になってしまいます。
青を使いたい子もいれば、ピンクを提案したい子もいます。
友達の意見に賛成する子もいれば、「これはどう?」と別の色を見せる子もいます。
伝えたいことに合わせて、必要な英語を自分で選ぶ。
そのために、完成した会話ではなく、活動を進めるための短い表現をいくつか用意します。
これなら、子どもたちは自分たちでフラッグについて考え、選び、英語を使って伝えることができます。
日本語を禁止するのではなく、英語を使えるようにする
グループ活動を英語で行わせるために必要なのは、日本語を厳しく禁止することではありません。
子どもたちが活動中に何を伝えるのかを先生が想像し、必要になる英語を事前に準備しておくことです。
インタビュー活動も、ワークシートの空欄が埋まったら終わりではありません。
集めた情報を持ち寄り、比べ、選び、何かを作り、最後に伝える。
そして、グループ活動の中でも、子どもが自分の目的に合わせて英語を選べるようにする。
そこまで設計することで、習った英語が、ただ練習するための英語ではなく、実際に使う英語になっていきます。
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